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多芸は無芸

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Category: 雑記

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ピンクの空と同窓会と尿意

目を覚ますと

窓に無造作に打ち付けられた板の隙間から傾いた日がすっと差し、つかの間照らされた埃達がキラキラと優雅に舞った。

薄暗いその部屋には、炎天下で湿った土が乾いていくときのような仄かに甘い香りが立ち込めている。サウナの匂いのようだと思っていると、不意に冷えた空気を頬で感じ少しクラクラした。
今は冬だったろうか。

枕元に積み上げられた少女コミック「あさりちゃん」には手垢とも飲みこぼしとも付かない薄茶けた染みが広がっている。その傍に赤と青のコントラストがいかにも安っぽい子供向けのヘアゴムで束ねられた、千円札の束。温まった毛布の中から手を露出させるのが嫌だったので目だけでお札の枚数を数えていると、鼻先を前足だけ妙に長い奇妙な黒い虫が通り過ぎ、色の落ちた畳の目の中に潜り込んでいった。しまった、数えた数を忘れてしまった。

喉が渇いて飲み物を欲してはいるがどうにも動きたくない。
むずむずと毛布の中で足先をこすり合わせていると、指先に何かが当たった。行儀悪く足の指を使い、掴み引き上げると透明の蓋が付いた弁当箱だった。中にミニトマトとキン肉マンのシャープペンが入っている。

家に帰らないといけないのだろうけれど、ここが何処だかわからない上に、何故ここにいるのか朝方なのか夕暮れなのかすらもわからない。
急に疚しい気持ちに襲われ素早く起き上がり自分の荷物を探す。

ジャケットを羽織りながら窓に打ち付けられた板の隙間から外をうかがうと、寂れた公園でブランコが揺れているのが見えた。主婦らしき影が数名、笑い声をたてながら静止している。当たりはほんのり暗く、灰桃の空にそびえたつ電波塔のようなものと公園以外に目立った建物は見当たらない。飛行機が通り過ぎるような轟音が近づき遠のいていった。

空気が突然不穏になった気がして振り返ると部屋の端に一人の男が座っていた。
水を含みすぎた土粘土のように両足をだらしなく放りだし、時折聞こえない呼びかけに反応し眼窩から熱のこもった視線を空に向かってむき出しにしている。ひとしきりあたりを見回しそしてまた表情は生気を失う。

尋常ではない男の雰囲気に鼓動が激しくなる。逃げ出したい心と裏腹に背中と足がビリビリして動けなくなってしまった。溶けてしまったみたいにダラリとしているので、思い切って声をかけてみる。できるだけ穏やかに、笑顔を作りながら。

「あっあのう、なんか私ここで寝ちゃったみたいで、お布団ありがとうございました、すみません」

すると男は落ちていたメガネを拾いあげシャキーンと装着、すっと立ち上がり打って変わって聡明な顔をしながら、ふにゃけた変な声でこういった。

「にゃあにゃあお嬢さん、ちわっす!とりあえず飯でもいかね?」

「あ、あんまりお金ないんですけど」

「俺も無い、ところでお嬢さんまさかの大正生まれじゃあんめえな?」

「え、いや、昭和55年生まれなんです」

「おっけー!」

私は男とびっくりドンキーにハンバーグを食べに行くことになった。

店に着きメニューを見ていると目の前にいたはずの男の姿は無く、場面はいつのまにか中学校の同窓会の席に変わっていて帰りたい気分がいっそう高まった。




と、そんな夢を見た。今朝。


今日は昼から尿意を我慢してます。
うう限界です。
いってきます、お手洗い。
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Comments


いやいや・・・
ユメだと分かっていてもすごい引き込まれていく
文章力。

読んでてなんともいえない気持ちで満たされましたよv
アネオさんの世界に浸れるのが楽しいです(^_^)
Re: タイトルなし
tutsuチャマ

たわいのない夢のハナシ、読んでくれてありがとう!
しかし夢って文章にすると途端に「物語り」になっちゃうから、やあね。






プロフィール

アネオErica

Author:アネオErica
行き先が決まらぬ船でたゆたう。
たまに文章を書きます。
たまに絵を描きます。
たまに写真を撮ります。

読書暦↓
http://book.akahoshitakuya.com/u/2009
本棚↓
http://booklog.jp/users/erica1980

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