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多芸は無芸

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Category: 雑記

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多くは覚悟でなく愚鈍と慣れでこれに耐える

浴槽の蓋を半分だけ開いて湯に顎まで浸かると青臭いカルキが鼻腔から咽頭に抜けた。
十円玉みたいな痣を拵えた膝と対峙すること十五分。
含水率の極端に悪い枝だらけの弱った毛先が湯の上で揺蕩う。
苛立ちを覚え、潔くうんと短いショートヘアにしようかと考えたが、女性が髪を短くすると失恋が原因だと風説が出回ることがあり「何かあったの」とあれこれ聞かれるのも嫌だし、私の大きく下品な顔立ちではきっと似合わないから嫌だ、と即座に改めた。
再びうつむき膝を揺らすと下腹部の肉塊が小さな水泡を付着させて野卑な揺れを見せた。
それをあざ笑うかのように黒々とした草叢もまたザワザワと醜猥に揺れた。
かつては無かった大腿部の毛穴がいつのまにか広がっている。

歳を重ねるのが楽しいと豪語してはいるもののやはり老いるのは、悲しい。

これ以上湯に浸かっているうちにのぼせて倒れてしまいそうだったので、うしっと小さく息を吐き、浴槽から逃れる。
以前に買ったLUSHのマッサージバーがあることを思い出し、2番めの棚にその缶を見つける。
LUSH独特のエキゾチックな香りを思い起こし似合いもしない女の子気分に拍車をかけつつ蓋を開けると、そこは青緑と雪色と山吹色が見事な色彩で群れ繁殖しているカビ王国になっていた。

乱れ髪根暗女の引き笑いが、ややしばらく浴室内を木霊した。
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アネオErica

Author:アネオErica
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